数百年前。
古より延々と続いていた闇と光の闘いに、遂に終止符が打たれた。
命を賭した英雄達の活躍によって闇の眷属達が駆逐されたのだ。
時は流れ、今━━。
戦の記憶は忘却の彼方に。
勇者達の活躍は石碑に刻まれるのみ。
平和に溺れ、病んだ快楽にどっぷり浸る人々の間に満ち溢れる、強欲、大食、高慢、嫉妬、憤怒、怠惰
そして死。
退廃の日々のなか、迫り来る闇の眷属の復活の兆しに気づく者は、誰一人としていなかった。
再び闇の眷属がその忌わしい姿を表した時、人々の元に送り込まれて来た尖兵を見て人々は驚愕する。
そこには魔族の装いに身を包んだ、かっての英雄の姿があったのだった……


魔に身をやつす勇者は、『魔』に与した証として両手に邪悪な魔物を棲まわせています。
秘めた想いを心に宿し、次々と街々に火をかけ、残忍に女子供を喰い、

非道の限りを尽くして次々と武功を上げ、魔の中枢に近づく、それこそが彼の真の目的だたのですが
そんな彼の前に
かっての己と同じ志を胸に秘めた、帝都を守る聖女達が立ちはだかります。

魔王復活への生贄に皇女をさらえ。
徐々に“魔素”に犯されていく、すさむ心。
聖女達を打ち負かし、嬲り、辱め、穢し、極悪の限りを尽くす。

あと僅かな時間しか心を保っていられない今、“勇者”が下す決定とは…!?
果たして彼の復讐は遂げられるのだろうか!?


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