かけた月は戻らない 物語

時は、敗戦の兆しによる暗い雰囲気にあった時代。
小説家である『健次』の元に「御引き合わせしたい人物がいる」という差出人不明の電報が届く。
山に囲まれた小さな村を訪れると『彩江』という婦人がいた。
導かれるままに彩江が連れて行く洋館に踏み入れた。
館の名前は『悲願華(ひがんばな)』
不治の病「奇人病」に侵された患者を村から隔離するために造られたサナトリウムだった。
『お願いです! あの娘達を助けてください!』
『彼女達に残された時間だけでも、ゆとりを与えて欲しいの』	
足元で泣きながら願いを請う彩江を前にし、健次は断ることが出来なかった――。
奇人病の発作を抑える診療方法はただひとつ。
少女たちに性的快楽を与えること。
病状が悪化するにしたがって、耐性のついた淫らなカラダは、
よりハードな刺激を求め、エスカレートする。
しかし、それは同時に少女たちの寿命を縮める愚行である。
健次は少女たちを救うことができるのか、
それとも魂を削る快楽に身を沈めるのか・・・
かけた月は戻らない
(C)2006 CLOCKUP All Rights Reserved.